このページの先頭です

サイトメニューここまで

ページID:697196296

つしまの魅力や思いをきいてみたVol.4(野口佳男さん)

最終更新日:2024年12月25日

末廣寿司 店主 野口佳男(のぐちよしお)さん

 本町にある昭和23年創業の70年以上続くお寿司屋 末廣寿司(本町1丁目66)。地域の方から市外・県外の方まで多くの方に長く愛されているお店です。寿司の盛り合わせ、ちらし寿司、割子弁当など新鮮で豊富なメニューをお値打ちに提供しています。近年ではオンラインショップも立ち上げ、津島の郷土料理「もろこ寿司」のネット販売も行っています。
 野口さんは、末廣寿司で3代目の店主。高校を卒業後、名古屋市内の寿司屋において4年間住み込みで修業。現在でもカウンターに立ち、寿司を握るなどお店を切り盛りしています。また、野口さんは、お店の傍ら、歴史文化により受け継がれてきた郷土料理「もろこ寿司」を普及継承する活動として、小学校での課外授業や、もろこ寿司体験会を開催しています。
 気軽に立ち寄ってもらえるお店づくりと、津島の名物の普及継承に力を入れている野口さんに、インタビューを行いました。

インタビュー内容

津島市は、一言でいうとどんなまちですか。

いなからしさと都会らしさを兼ね備えたまち 四季折々のまち

津島市の魅力について教えてください。

私は生まれも育ち、商売も津島市であるため、このまちに非常に愛着を持っています。観光客や他の町の方とお話をすると、「津島はすごく素敵なまちだね。」、「四季折々のまちは他にはないよ。」、「古さが残りながらも、生活感が残っている良いまち」などと言われます。当店の常連客の中にもこの津島で生まれ育った方が多いですが、そのようなお客様はなかなか他の町と比べる機会が少ないと感じます。長く住んでいるとそのまちの良さになかなか気づかないものです。

野口さんが、日頃から感じている津島の住みやすさについて、教えてください。

津島市は、ちょうどよい田舎感で、暮らしやすいまちだと思います。また、都会らしさも兼ね備えています。市内には、スーパーマーケットやドラッグストア、様々なショップが多くあり、徒歩や自転車で移動しても、欲しい物の大半は手に入ります。交通の便も良く、津島から名古屋までは、電車や車で約30分あれば行くことができます。これまで不便と感じたことはありません。私は、自然が大好きで、釣りが趣味の1つです。津島市から木曽川は近いですし、高速道路を使えば三重県や岐阜県にすぐに出かけられますし、「ちょうどよいとかいなか」ですね。

野口さんは、この地方の郷土料理である「もろこ寿司」の普及継承に努められていますが、もろこ寿司を普及継承しようと思ったきっかけを教えてください。

私は、今から約30年前に寿司修業を終えて、津島に戻ってきました。その頃、市内の先輩方が町おこしの一環で天王文化塾を立ち上げ、その時にお声がけをいただきました。この地方は川魚が有名で、先輩から「もろこ寿司はどうだ」とアドバイスがありました。その当時、もろこ寿司は家庭料理として振る舞われており、当店ではメニューに載っておらず、祭りや法事などで親戚が集まる時に特別に注文を受けて作っていました。末廣寿司として何ができるかを考えた時に、やっぱり「食」だと思い、もろこ寿司のことを普及継承することに決めました。

もろこ寿司の普及継承活動として、例えば市内小学校の課外授業で子どもたちにもろこ寿司のことをお話しされていますよね。

津島市立南小学校5年生の課外授業に参加した時に、子どもたちにもろこ寿司を知っているかどうかを聞いたところ、約40人中5人しか手を挙げませんでした。もろこ寿司を食べたことがある子は、もっと少なかったです。知っていると手を挙げた子どもたちは、おじいちゃんやおばあちゃんと同居している、近くに住んでいるため、親戚の集まりなどでもろこ寿司が振る舞われ、食べたことがあると言っていました。もろこ寿司が1割の子どもにしか知られていないことに、その時は大変ショックを受け、これはもろこ寿司を普及継承しないとまずいと思いました。まずは子どもたちにもろこ寿司のことを知ってもらい、津島のファンを作ろうと考え、課外授業などでもろこ寿司のことを伝えるようになりました。現在では社会構造などの変化で核家族化が進んでおり、もろこ寿司を作って食べる習慣が少なくなってきています。もろこ寿司は作るのに手間暇がかかります。

1割の子どもしか知らないって驚きです。先ほど、もろこ寿司は手間暇がかかるという話がありましたが、だいたいどれくらい時間がかかりますか。

煮るのに1時間、煮た後に味をしみ込ませるのに1時間、もろこをしゃりの上に乗せ押して固まるまでに3時間、計約5時間かかります。固まっていない状態で包丁を入れてしまうと、すぐに崩れてしまいます。寿司って注文すれば比較的早く出てくるイメージがあろうかと思いますが、もろこ寿司は、出来上がりまでに時間がかかるため、寿司屋のメニューの中では大変なメニューだと思います。

もろこを、しゃりの上に1つずつ丁寧に乗せていくって大変じゃないですか。

もろこの頭としっぽを揃えながら、しゃりの上に乗せていきます。もろこ寿司体験に参加された方は、よくパズルみたいとおっしゃっています。

市内小学校以外にも、様々なところからオファーがあり、もろこ寿司の普及継承活動を行っていると聞いていますが。

市外の小学校の課外授業でも活動を行っています。まずは子どもたちにもろこ寿司のことを知ってもらい、やがて進学や就職等で他の地方に行っても津島のことをPRしてもらえたらいいなあと思っています。
また、小学校以外にも、高等学校のPTA、企業や団体からも依頼が来ます。皆さん、もろこ寿司のことを熱心に勉強してくれますので、私自身大変嬉しく思っています。少しずつ、津島のファンを増やしていきたいですね。
もろこ寿司の普及継承活動は、私の中では商売とは別で考えています。津島のファンが増えていけば、津島に来る観光客や来訪者が増えて、結果的に市全体が潤えばよいと考えています。

もろこ寿司を初めて見た、食べた子どもたちの反応はいかがでしたか。

もろこ寿司って少々グロテスクな部分がありますよね。小学校の課外授業ではもろこを炊いたものを味見してもらいます。最初はどのような反応をされるか心配していましたが、子どもたちは甘辛いお菓子みたいなものといい、パクパク食べていました。もろこ寿司は年配の方の懐かしい食べ物という印象があると思っていましたので、子どもたちの反応は意外でしたね。本当にびっくりしました。

もろこ寿司の普及継承活動以外に、津島市と名古屋鉄道との共同キャンペーン「つしまちあるきキャンペーン」において、末廣寿司でも期間限定スイーツを制作し販売されています。スイーツの制作にあたっては、地元の食材を使用されていますが、その点は常に意識しているのですか。

地元の食材を使用することで、当店だけでなく市全体で盛り上げていきたいと思っています。自分の店だけ繁盛すればよいという考え方では、結果上手くいかないと思います。点が線にはならないですよね。仲間、他の商店、津島の人たちが結果的に潤う形がベストだと思います。1人の力だけでは大したことはできないです。市内のいろいろな人を巻き込んで何かを進めていくことを意識しています。

寿司屋がスイーツを制作するのは非常に珍しいことだと思いますが、お客さんの反応はいかがでしたか。

スイーツを求めて来られるお客様もいらっしゃるので、率直に嬉しいです。常連客の中にも、こんなスイーツも販売しているんだねと言って、ついで買いしてくれる人もいます。

スイーツを制作するにあたって、苦労された点はありましたか。

特段苦労した点はありませんでした。先ほどもお伝えしたとおり、津島の良い食材を使用したいという思いがありますので、まずは食材を決めるところから始まりますね。売れるか売れないかより、地元のこの食材を使用したら何ができるのかで考えます。私1人では手が回りませんが、家族で役割を分担してスイーツを制作しています。家族には本当に感謝しています。

PTAやコミュニティスクールの支援にも関わり、藤浪中学校出身の女子バスケットボールで活躍される山本麻衣選手のパブリックビューイングを開催するなど、地域貢献にも力を入れられていますが、子どもたちへの思いなどについて教えてください。

PTAやコミュニティスクールなど、子どもたちの支援を約15年続けています。そこには商売と離れたところで、津島のファンを作ることが土台となっています。子どもたちが、自分が生まれ育った良いまちを、好きになってもらいたいと思っています。そのためには子どもたちの環境づくりが大事で、地域一丸となって子どもたちのことを守っていきたいと考えています。子どもたちが津島のことを良いまちだと思ってくれれば、津島のことをPRしてくれると思うし、一旦は外に出てもやがてはこの地に戻って来てくれるかもしれないです。地域全体で子どもたちを育てていきたいですね。

お問い合わせ

まちづくり推進部 観光・プロモーション課
〒496-8686 愛知県津島市立込町2丁目21番地
電話番号:0567-24-1111

この担当課にメールを送る

本文ここまで

広告


以下フッターです。