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津島市食品安全委員会
最終更新日:2023年8月29日
津島市食品安全委員会とは
目的
食生活に関連する分野での安全性を増進し、市民の現在と将来にわたる安全な食生活を確保することを目的として設置されています。
委員会名簿(令和5年4月1日現在)
氏名 | 所属 | |
---|---|---|
委員長 | 猪飼 誉友 |
中部大学研究員(応用生物学部) |
副委員長 | 宇藤 久子 | 津島市女性の会 |
委員 | 久野 敬司 |
津島保健所環境・食品安全課長 |
委員 | 後藤 英司 |
海部農林水産事務所農政課長 |
委員 | 鬼頭 陽子 |
一宮生活協同組合元理事 |
委員 |
成田 直美 |
一宮生活協同組合理事 |
委員 |
日下 京子 |
津島・愛西母親連絡会 |
委員 |
平光 佐知子 |
コープあいち参与 |
委員 |
垣見 圭子 |
津島市健康づくり食生活改善推進協議会 |
委員 |
大島 幸枝 | 津島市市民くらしの講座実行委員会 |
食品安全委員会報告
直近の報告は以下のとおりです。
令和5年度テーマ「品種改良と遺伝子組み換え食品」
議題(1)委員長及び副委員長の選任について
中部大学応用生物学部研究員の猪飼誉友委員が委員長、津島市女性の会の宇藤久子委員が副委員長として選任された。
議題(2)品種改良と遺伝子組み換え食品
猪飼委員長より「品種改良と遺伝子組み換え食品」をテーマに、パワーポイントを使って、品種改良の歴史、遺伝子操作・新しい品種改良の手法、遺伝子組み換え食品国内流通の現状などについて情報提供された。
1.情報提供の内容
地球上で生きている生き物は、最初は全部一つの細胞から始まっている。その一つの細胞がいろいろな生き物に分かれて、それぞれ進化していった。何が違うかというと、細胞の核の中にある遺伝子が違い、遺伝子が違うと全部違った生き物になっていく。
ダーウィンは、「生物の進化に目的や方向性はなく、それは偶然の結果にすぎない。たまたま突然変異によって親と違う形質の子が生まれ、その個体が淘汰されずに生き残ることによって、進化が起こる。」という説を提唱している。
たまたま美味しかった等都合のいい植物を見つけた人間が、その突然変異した品種を淘汰させずに育てていった。これを人為的な淘汰という。本来なら自然の中で淘汰されてしまうべきものが人の力によって選別し残されて、植物、家畜として生き残るのが昔の品種改良である。これは最も自然に近くて安全であるが、偶然に頼る部分が多く、効率も悪いという特徴がある。
ある形質を狙ってある遺伝子を無理やり元の植物に組み込んでいき、確実に狙った変化を起こらせることが遺伝子組み換えという技術であり、それが今問題になっている。
DNA自体を思い通りに組み換え、作り変えてしまうことをゲノム編集といい、その技術がどんどん実用化されてきている。
日本は遺伝子組み換え食品の輸入大国で、主要輸入穀物の80から90%は遺伝子組み換え食品である。そして日本はそういった遺伝子組み換え食品を輸入せざるを得ない状態である。
今日本で輸入できるのは、トウモロコシ205品種、ナタネ21品種、ワタ45品種、ダイズ25品種、テンサイ3品種、ジャガイモ9品種、アルファルファ5品種、パパイア1品種、令和4年3月に「からしな」が追加され、9品目種類になっている。
原料の中に何%以上遺伝子組み換え食品が混じっていれば表示しなければならない事になっているが、日本はそれが5%以上である。韓国は3%、オーストラリアは1%、ドイツ・フランスは0.9%で、日本の表示規程がいかに緩いものであるかが分かる。
2.主な意見交換の内容
遺伝子組み換え等は、温暖化対策、人口増加対策の救世主になるのではないかという意見もあり、虫も食べられるようにしないといけないという話しもあるぐらいである事を考えると、遺伝子組み換え食品は食料危機を打開するためには必要なのではないか、とも思うのですが、その一方で一般消費者の資料を見ると「科学的な根拠に疑問を持っている」という意見がずっと5割以上いることが分かる。個人的な意見でも構わないが、やっぱり遺伝子組み換えというのは必要なのか、必要であればこういった疑問に対してどうすれば疑問を払拭することが出来るのだろうか?
⇒もっと検証の人数を増やさないといけない気がします。そしてもう少しキレイに説明できるような何かが必要な気がします。農薬だとか動物用医薬品だとかはかなり情報が出回っているので、ちょっと知識のある方だとある程度判断できるのだが、これに関しては安全に関する検証が不十分だと感じることも多い。これはどうしようもない話しかもしれません。ラウンドアップについてですが、近所でも使っているところは多いが、その影響については本当に大丈夫なのだろうか?
⇒ラウンドアップとはグリホサートというのが科学的成分なのですが、フランスに本部がある国際癌研究機関IARCでは、人に癌を発生させる可能性がある事が疑われるような少し危ない化合物ではないかと疑いを持っており、他の外国では禁止しているところが結構ある。よって日本政府は安全だと言って何も規制していませんが、あまり信用できないかもしれない。ただラウンドアップ自体は植物が吸い込む事はない。地面に落ちてしまえば吸い込むことはないので大丈夫である。除草剤自体は殺虫剤と違って人間と植物の違いでほとんど毒性はないと言われています。だからそれほど心配することはないのだが、細かいところで突き詰めていくと何か影響があるのではないかと言われているのがこの化合物である。開発するのはいいのだが、人間への影響なんかを調べようと思ったら何十年とかかるので、それを無視して使っているというのが現状であり、ある程度の安全性を確認したらもう市場に出して使ってしまうというのが現状です。最近は虫が入っているトウモロコシも見ることはないが、これも遺伝子組み換えが行われているということか?
⇒日本ではこの遺伝子組み換え作物を作る事が出来ない。日本国内としては作る事を許可していないのだが、輸入する作物については許可しており、これはダブルスタンダードといえる。輸入しようとしたら遺伝子組み換え作物しかありませんと言われたら仕方ないといった状況である。品種改良というと愛知県では農業総合試験所というのがあり、長久手市では米、麦、果樹、花などの品種育成をやっており、豊田市稲武では米だけ品種育成を行っている。通常お米の品種改良は国か都道府県が作るのがほとんどで、一部民間企業がやっていることがあるというのが現状です。近年のようにこれだけ暑くなると高温障害でお米の品質も悪くなるので、それに耐えられるお米を作るのがどこの都道府県も国も一つの大目標となっております。⇒ お米を買う時に、「こしひかり」を買おうとか「あきたこまち」を買おうとか言って選んでいると思います。イチゴもそうで、「とちおとめ」を買おうとか「あまおう」を買おうとか、そういうブランドがあると競争になります。キャベツを買おうという時にそんな事は思いません。どこにも書いてないし品種を気にして買ったりはしないです。キャベツだって何種類か品種もあるのですが、お米とイチゴだけは何故か品種を気にします。
漠然と怖いのだろうかぐらいの事を考えながらも普通に食品を買って食べていたりするのですが、この不安だっていう感じを科学的に証明するには、つまり遺伝子組み換えの食品を食べているとどんな事が起こるか解らないという事で、それも証明されていないという事なのでしょうか?
⇒証明はされているのだが、深いところまで行われていないというのが現状だと思われます。とりあえず人間に対しての毒性だとか他の生き物に対して何か影響があるだとか短期的には確認していると思いますが、長期的には確認できていないなど、次世代に向けての影響だとかを十分に検証できておらずいろいろな疑問は残っている事が不安を感じさせてしまう理由になっているのだと思います。
